ヨクイニンはイボとりの薬として、また肌荒れ(美肌)の薬として広く親しまれている民間薬です。イネ科の植物ハトムギの成熟種子の苞皮と果皮を剥いだものを乾燥させたもの。ハトムギの名前の由来は鳩が好んで食べることからつけられたという。ヨクイニンをイボとり、美肌薬として取り上げたのは養生訓の著者としてして知られる貝原益軒です。
ヨクイニンは皮膚の栄養を改善し、保湿効果を高めて肌のノリを良くするという女性にはありがたい薬です。
1)美肌薬として用いる場合は血液の循環を良くし、うっ血を改善する桂枝茯苓丸と一緒に用いると効果が速い。
2)イボとりに用いる場合は、服用する方の体調に合わせて胃腸の漢方薬(五苓散など)と併用すると効果が速い。
ヨクイニンは作用が緩和であり、イボがなかなか消えない場合はヨクイニンの服用量を増やしてみることも必要です。
漢方薬への応用
漢方では数多くの処方に配合されて主に消炎利水、袪風湿止痛、排膿消腫、健脾止瀉などに用いられる。消炎利水薬にもちいる場合は生のままで用い、健脾止瀉薬の場合は炒用するとよいとされる。
1)袪風湿止薬としては麻杏薏甘湯や薏苡仁湯に配合され腫れや痛み痺れを改善する。
2)消炎利水、排膿消腫薬としては桂枝茯苓丸加薏苡仁として婦人病に用いられる。
北九州の漢方相談薬局 大門薬品 薬剤師 篠原艶子